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母たちの村
すごく気になっていた映画だったので、DVDになったら絶対に観ようと思ってました。124分と長い作品ですが、大変興味深く観れました。

☆あらすじ☆アフリカの各地に今も残る女性の割礼(性器切除)という因習を巡ってとある村で巻き起こる騒動を通して、アフリカ社会が抱える問題を浮き彫りにしたヒューマン・ドラマ。監督は「チェド」のウスマン・センベーヌ。西アフリカのとある村。ある日、この村の女性コレのもとに4人の少女が逃げ込んできた。彼女たちはこの村に古くから伝わる割礼を拒否し、コレに保護を求めたのだった。自身も割礼の後遺症に苦しんできたコレは、少女たちを保護すると決心する。しかし、伝統に真っ向から逆らうコレの行動は男たちを困惑させ、村に大混乱を引き起こしてしまう…。 TSUTAYA DISCASより

今でも毎年この割礼を受ける女性は200万?300万人と言われています。
衛生的にも人道的にも今の日本に暮らしていたら考えられません。
この作品の中でもこの割礼を受け命を落とす少女が出てきます。
コレのもとに逃げてきた4人の少女のうちの一人です。
その母の悲しみも更なる引き金となりコレは断固として立ち向かいます。一夫多妻の社会で、女性が男性に楯突くなんてありえないことですが、最後には村中の女性が一丸となって悪しき因習反対と立ち上がります。ここまでの過程を克明に描いた秀作です。

この女性割礼はFGM(性器切除)と呼ばれ、女性の外性器を傷つけたり、切除したり、外部分をすべてそぎとり、縫合するなど大きく3通りの方法があるそうです。この作品の中ではナイフを使って、切り取っていたようです。直接的なシーンはありませんが、その苦しみは十分伝わってきます。コレもその処置をうけており、切除した時の痛みはもちろんのこと(麻酔無しですよ!)性交時も指を噛み切るほどの苦痛に耐え、感染症や出産時にもその苦しみを背負います。コレも2度流産し、一人娘は帝王切開して誕生しました。一生苦しみ抜くわけです。
因習がどこもそうであるように、昔からの習慣だとかイスラムの教えだと正当化して継続していきます。本当はこれで女性の性をコントロールするのです。

ラジオ事件や傭兵と呼ばれる露天商の事件など、閉鎖的なこの村が引き起こす事件など、その背景も丁寧に描かれています。

この勇気ある賢い女性コレのご主人も中々の好人物です。
すばらしい女性を妻に持つだけの器量の持ち主だと思いました。
また、コレの娘の婚約者など、この村に明るい希望の光をもたらすであろう男性の存在もうれしく思いました。

男性が見たらどうだかわかりませんが、女性ならじっくりと観て欲しい作品です。

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2007/04/21 | 映画の小部屋 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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