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樹の海
富士の樹海を舞台にした『自殺』がテーマの4つのエピソードで
構成されてます。

話はどれも静かに心に語りかけるように進みます。
特に盛り上がりは無いですが、心の中で静かにゆっくり何かが
溶けていき、染み込んでいきます。

エピソード1――暴力団にハメられ樹海に遺棄された朝倉。一命を取り留めた彼は森を彷徨う中で、自殺しようとしている中年男・田中に出会う…。エピソード2――悪徳金融のタツヤは、夜逃げした顧客の北村今日子が自殺しようと入った樹海で足を怪我したと連絡を受け、現場へ助けに向かうが…。エピソード3――サラリーマンの山田は、探偵の三枝から樹海で自殺したという若い女と自分が一緒に写った写真を見せられるが…。エピソード4――映子は、かつてストーカー行為をした相手と再会するが、彼が何も覚えていないことにショックを受け、樹海へ向かう…。

エピソード1では朝倉を萩原正人が演じます。死んだと思っていたら樹海の中で目覚め、自殺してしまった田中に向かって延々と話し続けます。本当に自分は田中の自殺を止めなくてよかったのか・・・

エピソード2ではタツヤを池内博之が演じます。追い詰めてしまった今日子を探して樹海を彷徨ううちに自分の過去を振り返り、本当の自分の気持ちに気づいていく…。

エピソード3では山田を津田寛太が演じます。この若い女の写真を持ってきた男が樹海に花を手向けりんごを供えてくるのですが、これを彷徨う朝倉が食べます。皆どこかでリンクしてます。
孤独に死んでいった若い女性を自分が覚えておきますと山田は言う。

エピソード4では映子を井川遥が演じます。ここでのキーワードはネクタイ!ストーカーだった彼女は迫力あります。この人はこんな役どころは上手いですね。

それぞれ、投げやりな人生を歩みそうになっていたけど、この樹海に関わったことによって、皆生きる希望の光を見つけていきます。
今、いじめなどで自らの命を絶つ若者が増えています。
そんな時にこの映画を!なんて無理かもしれないけど、
機会があれば見て欲しい。
諦めないで生きていれば、きっと希望の光がみつかると思う。
ちょっとそんな気がする作品です。

富士の樹海には行ったことがあります。
自殺の名所ということもあり、入り口には自殺を思いとどまるように
呼びかける看板があります。
この作品の中にも出てきます。

あの深くて静かで恐ろしくて優しい樹海。
ここで死なないでくださいね。

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2007/04/05 | 映画の小部屋 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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